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攻めたデザイン?の新型電車のカラーリングとブランディング戦略の話

南大沢駅を出て行く「京王ライナー」の後姿

ド派手なローズピンクの太い帯がかなり強烈な京王線の新型車両

今回は京王線の新型電車の話です。(上の画像は駅を出て行く後姿です)

この新型電車、カラーリングが他の車両と大きく異なります。使っている色も一応同社の他の車両と同じ傾向ですがピンク色の彩度が高いような。ド派手なローズピンクの太い帯がかなり強烈な印象です。

デザイン業者的には車両のカラーリングやポスターなどの広告媒体などに使う色彩の統一性というか一貫性はすごく気になるのですが、なんとなくこの会社の色彩ってその「一貫性が」ユルいのかな?という気がします。

と、いうことで同社の「コーポレートカラー」をネットで調べてみました。
 

京王電鉄の「CIマニュアル」が見つからない?

京王線のカラーは「京王ブルー」と「京王レッド」という呼称になっているようで、簡単に言ってしまうと紺色とピンク色。

こういったロゴの色は「コーポレートカラー」などと呼ばれて、通常「CIマニュアル」として厳密に色が決められているのですが、京王電鉄の「CIマニュアル」はざっと検索したところでは不明。

ちなみに「CI」とは「コーポレート・アイデンティティ」の略で、簡単にいうとロゴや色使いを一定の規則に基づいて運用することで企業の統一したブランドイメージを広告その他で打ち出して行こう、というものです。

ひとまず「京王電鉄」の名前で
紺色が「PANTONE 281 C」(#00205b)
ピンクが「PANTONE 227 C」(#ab035c)
での商標出願があったので多分これかな↓と思うのですが、確証には至っておりません。

紺とピンク

参考にしたのは下記リンク先のPDF9ページ目の一番上(外部サイト)。
http://www.tm-library.com/data/topics/topics/2015_06_ColorPerSeMark.pdf
 

今後のこの会社のブランディング戦略が現れている…のかもしれません

ともあれ「京王ブルー」と「京王レッド」は色の組み合わせとしては結構キツめの組み合わせ。
しかも車両のピンクはロゴのピンクより高彩度な蛍光ピンクっぽい色。
デザイン的には、決して扱いやすい組み合わせではないです。

そこをどうコントロールするかがデザイナーの腕の見せ所とも言えるのですが。。。

白やシルバーのボディのサイドに水平方向の紺とピンクのラインが入っている…という従来車両のカラーリングならデザイン的には破綻しにくい、無難な配色になると思われます。

が、今回の新型車両はそういった「安全策」は取らなかった様子。

流線型の車体の上の方に太くて派手なローズピンクの帯が配されていてかなり目立ちます。ブラックアウトされた車両前面とのコントラストも強烈。走っている時も駅で停まっている時も、その存在感はかなりのもの。
見る人に対し「新型車両ですよ!」とPRする効果はありそうです。
今後のこの会社のブランディング戦略が現れている…のかもしれません。

車両のカラーリングというのはある意味「走るブランド広告」ですね。

駅のホームと京王新型車両

好きかどうかは人それぞれの好みもあって難しいのですが、16年ぶりの新型車両ということで営業的には「見た目のインパクト」や「話題性」といったことも考える必要があったのかなと。

そういう意味では、なかなか「攻めたデザイン」なのかなと思われます。
 

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