2024年の7月も月末ですね。パリ五輪も開幕し、お盆休みに向けて忙しさの加速しそうな今日この頃。
当事務所のある横浜市都筑区でも毎日猛暑・酷暑続きで大変ですが、今回はそんな暑くて忙しい夏をお手軽にチルアウト(冷却)してくれる(かもしれない)「ミントグリーン」について書いてみたいと思います。
涼しげで華がある、近ごろ気になるミントグリーン
ここ数年、ミントグリーンを目にすることが増えた気がします。
特にファッション系の界隈で人気が高い気もしますが、チラシやカタログなどのグラフィックデザインでも意外に適応範囲が広い「使える色」だと思います。もちろんホームページなどのWebデザインにもおすすめ。
「紺」や「緑」といった定番の色よりも華がありつつも、浮わついた感じになりにくい、絶妙な色かと思います。
涼しげな印象で地球温暖化の昨今はより好ましく感じられるようにも思えますし、コロナ禍のもたらした衛生意識の高まりの心理的要因もあるような気もしますが…、知的で大人っぽい雰囲気もあるので仕事で使う書類など(プレゼン用とか)に差し色的に使うと、見栄えがアップするかも知れません。
お盆時期、人が集まる予定のある方は、テーブルの飾り付けに使ったり、プレゼント包装に使うのも良いですね。
夏休み期間のこの時期、お子様の夏休みの宿題に使ってみるのもおすすめです。
そもそも「ミントグリーン」とはどんな色?
一口に「ミントグリーン」と言っても実は結構バリエーションがあるのですが、ざっくり言えば「明るい青緑」ですね。
絵の具でいえば青と黄色を混ぜたのが緑色で、青が多めなのが青緑。それに少し白を足して明るくするとミントグリーンに近い色となります。(下の図はイメージです)
「ミントグリーン」というくらいなので、ミントの葉っぱは青緑色をしている
…かというと、意外に普通の緑色だったりするのですが。下の写真のような感じで。
おそらくミントの清涼感を表すために、実際よりも青白い方向に(色相と明度を)変化させた色なのかなと。
なので「ミントグリーン」という色は「ミントそのものの色」というよりは「ミントのイメージを表した色」と捉える方が良さそうです。
グラフィックデザインに使いやすい「ミントグリーン」とは?
色の名前というのは結構曖昧なところがあって、(先述したように)同じ「ミントグリーン」でもカラーサンプルが微妙に異なります。下のカラーサンプルの「ミントグリーン」の「例1」と「例2」はかなり違いますが、どちらも「ミントグリーン」としてネット上で紹介されているものです。
この辺は閲覧するモニターの性能やカラー設定の問題もありそうです。緑色はモニターの性能の差が出やすい色なので。今回のブログ記事にもカラーサンプルを多く掲載していますが、閲覧するデバイスや設定により色の表示が異なる場合があります。ご了承ください。
また、WindowsパソコンやAndroidスマホなどはデフォルトではかなり青っぽく表示される(つまり「色温度」が高い)ものが多く、iPhoneやMacで見るとかなり黄色っぽく見えるものもあります。そういうことも影響しているのか、ウェブで見る「ミントグリーン」は衣料品におけるそれよりも黄色っぽいものが多い気もするのですが…、
もう少し青っぽい方が今の空気に合っている気もします。
「青っぽさ」という点でもう少し書くと、「ミントグリーン」のほかに「ミントブルー」と呼ばれる色もあります。
ミントグリーンよりももう少し水色に近い印象で、その分見た目の清涼感もアップしますが、実用面では「ミントグリーン」と「ミントブルー」はかなり重複して使われているようです。
デザイン的なトレンドという面では、Webやチラシ、カタログなどのグラフィックデザインよりもファッション系のデザインの方が先を行っている気もします。何しろ毎年新作を出さないといけない(らしい)ので、目新しさへのニーズは切実でしょうから。
と、いうことでその辺も参考にさせていただきつつ、今風なミントグリーンというとこんな感じ↓かと。
今風といえば「くすみカラー」もここ数年の流行り、ということでそのテイストも入れました。
今回のブログ記事のトップ画像背景色もこの色を使っています。
グレイッシュで洗練された印象の「くすみカラー」と「ニュアンスカラー」
「くすみカラー」はその名の通り「くすんだ色」で、彩度が低いグレイッシュな色全般を指すようですが、その中でも明るめのものは「ニュアンスカラー」とも呼ばれて、ライトグレイに近い色となります。優しく、洗練された印象を作りやすいので、Webデザインでもこうしたカラーリングを取り入れているサイトが増えています。
ただし「明るめの色」ということは「明度が高い、薄めの色」ということでもあり、見た目の印象も「薄い」ということでもあります。
あまり明度が高いと見出し用の文字などには使いづらくなりますので、少し明度を下げるなど調整するのがお勧めです。
ちなみに「ニュアンスカラー」の明度を少し下げると「スモーキーカラー」、さらに下げると「ダスティーカラー」と呼ばれたりします。この辺の線引きもかなり主観が入ってくるので曖昧なのですが。
お洒落なはずの「ニュアンスカラー」は可愛い印象になってしまう?
「ニュアンスカラー」は比較的お洒落なイメージを作りやすく、デザイン的にはもはや定番とも言えそうなカラーリング。でもこの記事の冒頭に書いたビジネス用書類に使う場合など、少し可愛い印象になってしまったり、カジュアルすぎる感じになってしまう場合があります。
ビジネス向けなカラーリングにしたいという場合は、明度を下げるとともに彩度も少し上げるとキリッと引き締まった印象になってきます。
さじ加減がちょっと難しいですが。
というわけで今回のブログ記事の見出しは背景色として下記の「浅葱色」を使用しています。(※一番下の見出しのみ「カーキ色」を使用しています)
ただし彩度を上げ過ぎると蛍光色っぽくなって見づらくなりますので、彩度の調整はほどほどの「渋い」感じで行くのが宜しいかと思います。「ターコイズブルー」というのは宝石の「トルコ石」(下の写真)の色なので、色見本によってはかなり高彩度色となっている場合もあり要注意です。
紛らわしい「カーキ色」の表記
「くすみカラー」はファッションやWebデザインだけでなく、自動車のカラーリングでも流行っていますね。
特にアウトドアテイストの強いSUVなどでは、いわゆる「アースカラー」の自動車がずいぶん増えました。
アースカラーといえば「カーキ色」と言い換えても宜しいかと。(一部例外あり)
しかしこの「カーキ色」の扱いも、ややこしいのです。
元々は軍服の色で汚れが目立たない色にしようということで、土埃のような色を「カーキ色」と呼んだのですが、それが拡大解釈されて「軍隊の色=カーキ色」と見なされ、モスグリーン系の色も「カーキ色」と呼ばれるようになったのだとか。(青〜グレイ系統の軍服の色は「カーキ」とは言わないらしい)
さらに日本では昔(明治〜大正くらい?)オレンジ色に近い茶色を「カーキ色」と呼んだこともあった様子。
そのためネットで調べても
・カーキ色は緑色だがモスグリーンとは違う
・カーキ色とモスグリーンは似ている
など矛盾する情報がゾロゾロ出てきます。。。
そのため「カーキ色」で検索するとこんな色↓が多く出てきますが(イメージです)、
「カーキ色 パンツ」で検索すると緑色のズボンの写真がいっぱい出てきます(こちらもイメージです)。
どうも日常生活では「カーキ色」というと、モスグリーン系の色を指すことが多いようで。。。
どちらも「アースカラー」という括りでまとめられると思いますが、アースカラー同士の組み合わせは相性が良いことが多いです。迷彩パターンなどはその典型。地面に同化するという目的からして「アースカラー」そのものですね。
「カーキ色」に入らないダークグレイやグレイっぽい紺色も使い方によっては相性が良いかと。アウトドアテイストのデザインにするなら定番の色使いですね。ワイルドで力強い印象で、特に夏から秋にかけてはよく目にする配色です。
しかしながら、このカーキ色とミントグリーンは今ひとつ相性が良くない傾向です。茶色系のカーキ色も、緑系のカーキ色も、ミント系の色とはどうもしっくり来ないんですね。ミントグリーンとモスグリーンは同じ「緑色」であるにもかかわらず、雰囲気はかなり異なります。
ミントグリーンの「清涼感」と、カーキ色が持つ「土の匂い」が本質的に合わないようで。。。
アウトドアテイストには相性バッチリの「カーキ色」ですが、特に表現上の意図がある場合以外はミント系のカラーリングとは併用しない方が良さそうです。