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実は意外に手間暇かかる!?パッケージデザイン制作スケジュールの現実

Package Design

横浜市都筑区のデザイン事務所、グラッドワークスです。

12月最初の週末となり、今年もあと4週間となりました。この時期はお歳暮などの贈答品やクリスマスのプレゼント需要もあり、グラフィックデザイナーとしては包装品のパッケージデザインが気になる時期でもあります。

と、いうことで今回はパッケージデザインの話を書いてみたいと思います。

実はパッケージの制作は他の印刷物とはかなり工程が異なります。
 

制作のスケジュール感が違ってくるパッケージの制作

箱の設計イメージ

チラシ(フライヤー)やパンフレットは普通、A4やB4(輪転サイズを含む)など既成のサイズで作ることがほとんど。

これがパッケージデザインとなると(個人的経験としては)まずは専用の箱の設計から始める場合が非常に多く、そのためチラシなどのデザイン制作案件とはかなり制作のスケジュール感などが違ってきます。
 

「パッケージデザイン」とは「箱の設計とデザイン」

紙箱のイメージ

ざっくり言うと「パッケージデザイン」とは「箱の設計とデザイン」と言っても宜しいかと思います。

パッケージ制作ではチラシやパンフレット、あるいはカタログのように「既製のサイズ(A4サイズなど)に合わせる」ということができにくい傾向があるあり、これがまずハードルとなります。

それはなぜかというと、パッケージデザインは中に入る製品の形状やサイズは様々で、幅と高さに加えて奥行きも考える必要があるから。

つまり中に入るものに対して「幅」「高さ」「奥行き」のそれぞれの寸法が、中に入るもの(商品)に合っていないと使えない。

そのため既製品の箱では

「幅と高さは良いけれど、奥行きの寸法が合わない」

などということが頻繁にあるので、専用サイズのパッケージ(箱)をイチから設計するところから始める場合が多い傾向です。(※例外あり)

既成サイズの箱に印刷できれば箱の設計と組み立て確認の工程を省略できるので、納期も早くできますし、費用も安く済むのですが。。。

既成サイズの箱が使えることの多い例としては、クリスマスケーキのようないわゆるホールケーキは一定の寸法に収まることが多いようで(サイズを合わせて作っているとも言えますが…)既製サイズの箱でも間に合い、かなり納期を短縮できます。(※これまた例外あり)

 

パッケージ用の箱の設計と組み立て確認の流れ

パッケージ制作イメージ

ひとまず、パッケージデザインの制作ではまず「オリジナルサイズの箱の設計から始まる場合が多い」と思っておいて頂いた方が宜しいかと思います。

オリジナルのパッケージを作成する場合、まずはデザイナーが箱の形状のデータを作り、それを元にパッケージや印刷の会社が「抜き型(トムソン型)」の設計図を作ります。

デザイナーはこの設計図に合わせて箱の表面に印刷されるデザイン案を作成します。

デザイン案の制作は通常のチラシやパンフレットなどの印刷物と同じ形で進められますが、通常のカラー印刷(CMYKの4色印刷)よりも「メタリックカラー」や「蛍光色」などの特色を使用したり、「エンボス加工」や「箔押し加工」を併用する場合が多い傾向ではあります。

「CMYKの4色印刷」や「特色印刷」については下記の過去記事も併せてご覧ください。

カラー印刷は4色印刷が一般的。でも5色や6色もあるのはなぜ?

パッケージや印刷の会社は「抜き型(トムソン型)」を作成し、実際に箱のサンプルを作成します。
出来上がってきた箱のサンプルをデザイナーや発注主様がチェック。

あとはデザイナーが作成したデザイン原稿をもとに、印刷〜トムソン型での型抜き〜組み立てを行います。

そのためパッケージデザインでは通常のチラシ印刷に比べて、箱の設計とサンプル作成、また仕上げでの箱の型抜きや組み立ての日数などが追加で必要になります。

追加の日数はおおよそ2〜3週間程度ですが、諸条件により異なります。

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