今日から3月。当事務所のある横浜市都筑区でもあちこちで梅が満開となっており、菜の花も咲き始め、もうすっかり春の雰囲気となってきました。
デザイン制作的に「春」といえば桜………は、まだ早いので春の広告に使う色彩の定番、パステルカラーについて書いてみたいと思います。
そもそもパステルカラーとは?
本格的に絵やイラストのトレーニングを受けた方ならご存知かと思いますが、「パステル」という画材があります(上の写真)。ほとんどクレヨンのようなものですが、クレヨンよりも粉っぽく、色数が多いなどの特徴があり、クレヨンよりより本格派っぽい画材です。
一般的な「ハードパステル」の他に「オイルパステル」や「パンパステル」などもあります。
春らしさの広告デザイン表現に便利なパステルカラー。でも色の組み合わせには要注意。
実際には「パステル」にも黒や紺色、煉瓦色など暗い色、重い色もたくさんあるのですが(でないと画材としては厳しい)、一般に「パステルカラー」というと明るく軽やかで、ふわふわした色彩のことを指します。
そのようなわけで春らしさを表現するために広告デザインでも多用されるパステルカラーですが、でもパステルカラーは言ってみれば淡白な色彩。例えるなら「薄味」の色彩です。色の組み合わせには注意が必要です。
ここで「金赤(きんあか)」など強い色彩を足してしまうと、繊細な出汁の旨みを活かした料理にタバスコをどっさりぶっかけたようなことになって、パステルカラーの持つ「春らしい、柔らかい雰囲気」が吹き飛んでしまう、ことにもなりかねません。
なお、上の図では「金赤」をWebでよく使う16進数表記で「#F62C11」としていますが、「金赤」はデザイナーや印刷会社などにより微妙に異なる場合があります。この「金赤問題」についてはそのうちまた別のエントリで書きたいと思います。
【後日追記】上記「金赤問題」の件、書きました。よろしければ併せてご覧ください。
広告デザインに求められる「強さ」を付け加えたい時は?
でも広告制作サイド的には、とにかく広告を見てもらわないと困る、という都合があります。そのためには人の目を引く「強さ」は欲しいところ。
今回のブログ記事のトップ画像(アイキャッチ画像)は、あえてパステルカラーの四角と文字のみで構成していますが、非常に「弱い」です。
まあどぎつい広告の中にこういった「ふわふわモード」全開の広告が混じっていれば、相対的に目立つ可能性はありますが…デザイン業者的にはこのままでクライアント様に広告制作案として提示するのはさすがにコワい笑。
そのようなわけでパステルカラーの持つ春らしくやさしい雰囲気を生かしつつ、広告デザインに求められる「強さ」を付け加えたい時どうするかと言えば、、、
「写真に頼る」。大抵はこれでOK。
というわけで構成例です(↓)。
実際にはこれに見出しなどの文字情報などが色々入ってくるのですが、雰囲気はわかっていただけるかと思います。
もちろん「どんな写真を使うのか?」ということは考えないといけないので難易度はそんなに下がりませんが、それほどどぎつい写真にしなくてもパステルカラーの柔らかな印象を生かしつつ、広告としての強さを出せるので、比較的手堅い「春らしさ」の表現手法としてはおすすめです。