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印刷用紙の種類と厚さの基礎知識。そして印刷物の枚数とコストの関係は?

印刷用紙のイメージ

「コート紙」と「非コート紙」の特徴と用途

チラシやパンフレットなどに使う印刷用紙の種類には、大きく分けて「コート紙」「非コート紙」があります。

簡単に言ってしまうとコート紙は表面が滑らかでツヤがあります。コート紙の中でもさらにツヤツヤな「ミラーコート」や発色性や白色性の高い「アート紙」などがあり、逆にツヤを抑えた「マットコート紙」もあります。

非コート紙はその名の通りコーティングしていない紙で、代表的なものは「上質紙」というものがあります。名前とは裏腹に「普通の紙」という雰囲気でコピー用紙に似ています。

他にも表面にテクスチャー(つまり凹凸)を持たせた紙は風合いも良く、高級感があるので挨拶状などのフォーマルな印刷物に使われることがよくあります。

例えば比較的単価の高いレストランのメニューや結婚式の案内状など。

全般的に非コート紙は発色はあまり良くなく、少しくすんだ色になる傾向がありますので、写真をきれいに印刷するのはコート紙の方が向いています。

印刷の発色イメージ

コート紙、非コート紙ともにいろいろな種類の紙があって、印刷会社などでは印刷用紙サンプルを用意しているところも多いと思います。

が、ふだん印刷物のデザインに縁のない方が見ると「似たような紙がやたらたくさんある」ように見えるたり、種類が多すぎて、慣れないと何を選んだら良いのか判断に困るかもしれません。

膨大にある(ように見えがちな)印刷用紙のバリエーションですが、「定番の紙」というものはあります。当事務所「グラッドワークス」ではチラシやカタログ、パンフレットなどの制作時にはデザインとともにおすすめの印刷用紙をご提案させて頂いております。
 
用紙ごとの使い分けについては下記も併せてご覧ください。

チラシやパンフなどの印刷物デザインに使う紙の選び方
 

ちょっと分かりにくい(かもしれない)印刷用紙の厚さの単位

なお、紙の厚さの単位は通常「kg」が使われます。

薄いペラペラの紙の厚さの単位が「kg」というのは違和感があるかも知れないのですが、これは「連量(れんりょう)」といって、特定のサイズの紙1,000枚の重量です。

(※「特定のサイズ」とは大体110cm×80cm程度、なのですが規格が完全には統一されていないため厳密な話は割愛します)

「コート紙」を使う場合、
通常の新聞折込チラシ程度であれば53kgくらい、
A4チラシ(フライヤー)であれば90kgくらい、
二つ折りパンフレットであれば130kgくらい、
三つ折りパンフレットであれば110kgくらい、
名刺なら190kgくらい
の厚さが一般的です。

コスパの良いのはコート53kg。新聞折込チラシなど、通常のチラシは大抵これです。 これ以上薄いと両面印刷した時に裏側が透けて見えてしまい、見づらくなって来ます。

また、分厚い紙を使うと高級感が出せるので、高額商品のチラシにはもう少し分厚い紙を使用することが多いです。

【費用の話】印刷物は枚数が少ないと印刷単価が急激に上がります

ハンコのイメージ

基本的に印刷というのはハンコを押すのに似ていて、用紙やインク代に比べて版代の占める割合が大きいため、印刷枚数が少ないと1枚あたりの印刷単価が急激に上がります

仮に1万円のハンコを買って来て、紙が1枚1円と仮定して単純に計算すれば、

1枚だけ押印した場合印刷代は10,001円。印刷単価も10,001円
100枚押印した場合印刷代は10,100円。印刷単価は101円
1万枚押印した場合印刷代は20,000円。印刷単価は2円


実際にはインク代(この場合は朱肉代)など諸雑費も必要になるのですが、印刷物の枚数と単価の関係はお分かり頂けると思います。

必要以上に大量に印刷すると「印刷物の保管をどうするのか?」という問題も発生しますし、資源の有効活用という観点からもお勧めできませんが、きちんと使い切れる範囲であれば印刷枚数は多めの方が印刷単価は下げることができます

なお、多少割高になりますが、再生紙の印刷用紙や大豆油を使った環境負荷の少ないインクなども使用可能です。環境問題、エコロジー、SDGsを意識した広告制作やデザインをご希望の広告主様にはお勧めです。