印刷物のデザインにはほぼ不可欠のトンボと塗り足しとレジストレーション
「トンボ」には全部の版の色が必要
印刷物の入稿用データには印刷時の刷版(さっぱん)の位置決めの指標として、四隅に髭のようなものが付いていて、通称「トンボ」と呼ばれます。
この「トンボ」は仕上がり時には断裁されてしまうので、世の中に配布されるチラシやパンフレットなどの印刷物で目にすることは普通はありません。
が、入稿直前のデザインをクライアント様にご確認頂くときは、この「トンボ」が入った状態でお見せする場合もあります。
CMYK4色全部入った色の事を「レジストレーション」と呼びます
この「トンボ」は使用する版の数だけ必要です。 通常のカラー印刷はCMYKの4色印刷なので4版すべての色のトンボが必要。 逆に言えば、トンボにはCMYKの4色すべてが使われている必要があります。
このCMYK4色全部入った色の事を「レジストレーション」と呼びます。
この「レジストレーション」はCMYK4版が100%の濃度で印刷されているため、「トンボ」以外のデザイン部分に使用(特にべた塗りで)すると「インク盛り過ぎ」状態となります。 インク総量には制限があり、これを上回るときれいに印刷できないことが多くなるのです。
「レジストレーション」や「インク総量」については下記のブログ記事も併せてご覧ください。
黒より黒く印刷できる!?デザインの小技「リッチブラック」の話
なお、用紙のフチまで絵柄のある「4辺裁ち落とし仕上げ」の印刷物の入稿データを作成する場合は、写真等の絵柄を断裁する線よりも3mm程度外側へはみ出させるのが普通で、これを「塗り足し」と呼びます。
新聞折込チラシのような周囲に白フチが付く印刷物(いわゆる「袋断裁」)では不要です。