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B4やB5サイズは日本の独自規格!?印刷用紙のサイズの決まりと使い分け

独自規格!?のイメージ

おはようございます。横浜市都筑区のデザイン事務所「グラッドワークス」です。
今日は一応プレミアムフライデー(プレ金)ですが、あいにくの雨模様ですね。

一時は首都圏直撃か?と心配された台風12号は昨日午後に温帯低気圧に変わったようですが、皆様被害などはなかったでしょうか?

ここのところ気温がめっきり下がり、肌寒さすら感じるようになって深まりゆく秋を実感されている方も多いかと思います。前回は「食欲の秋」ということで色の話を書きましたが、今回は「読書の秋」ということで本にも使う紙のサイズの話など。

デザイン屋としてはチラシやパンフレット制作などで紙のサイズは常に意識しているものですが、少々マニアックな話を一つ。

B4やB5などの「B列サイズ」の用紙って、実は日本の独自規格なのです。

 

A4は国際規格で、B4は日本独自規格(※日本国内での話です)

紙のサイズで馴染み深いところでは、印刷用紙やコピー用紙でよく使われるA4やA3あたりかと思います。
B5やB4も結構使いますね。

A3を二つ折りにするとA4。それをさらに二つ折りするとA5になります。
縦横の比率は常に「1:√2」で変わりません

実際には端数は切り捨てたりするので厳密には微妙な誤差があるのですが、基本的にはこの考え方で大丈夫です。

紙の縦横比率イメージ

逆にA3の倍はA2で、どんどん倍にして行くとA0(ゼロ)になります。
このA0は1平方メートルジャストです。

逆に言うと面積が1平方メートルで縦横の比率が1:√2のサイズを「A0」と規定したのですが。

A判(ISO A列)は国際規格(ISO 216)ですが、
B判(JIS B列)は日本生まれの独自規格なのはご存知でしょうか?

A判はドイツで生まれ、のちに国際規格となったものですが、B判は少々ややこしく、A判同様の国際規格(ISO 216)でのB判(ISO B列)が存在するのですが、日本では独自規格のB判(JIS B列)を使っています

プリンターの印刷用紙設定などで「B4(JIS)」などという感じで、わざわざ「JIS」と書いてあったりするのは国際標準のB判(B列)と区別するためだったのですね。
 

国際規格の「ISO B列」用紙サイズに秘められた合理性

ISO A0/ISO B0/JIS B0の面積比較図

その日本生まれのB判はA判の1.5倍の面積。そのため先に書いた「A0」は1平方メートルであるのに対して、「B0(JIS)」の面積は1.5平方メートルとなっています。

これは江戸時代の公用紙「美濃紙」に由来するサイズとして策定された…らしいです。

ちなみに国際規格のB判(ISO B列)では「B0(ISO)」の面積は1.414平方メートルで、一見半端な印象。

でも実は、「1.414」とはつまり2の平方根(つまり√2)の近似値なわけで。

そのためB0(ISO)のサイズは1,000×1,414(mm)となっており、さらにA列とB列の拡大比率は常に同じ(辺の長さ)でA4を1.189倍に拡大するとB4、さらに1.189倍に拡大するとA3、さらに1.189倍に拡大するとB3…という具合にきっちりとした合理性が秘められたサイズとなっています。こういうのを「幾何平均」と呼ぶらしいのですが、「使えばわかる必然性」という感じでしょうか?

デザイン的にもこういう幾何学的な連続性は面白い使い方ができそうですし、Aの紙もBの紙も国際標準サイズにしておけば何かと合理的のような気がしない、でもない。

と言っても日本古来の印刷出版文化もありますし。
アメリカに行くとまた独自規格があったりしますし。

ともかくこれまでの変遷から結果的にこのような形に落ち着いているようで、結果的に現在日本では「国際標準規格のA判(ISO A列)」と「国内独自規格のB判(JIS B列)」が併用されている状態です。(海外でもJIS B列を使っている国があります)

B6(JIS)サイズは以前から日本で使われていた「四六判」に近く、
A5(ISO)サイズは、やはり日本古来の「菊判」に近いサイズとなります。

書籍では今でも「四六判」や「菊判」という表記を目にしますね。
 

チラシの制作などでよく聞く「輪転サイズ」とは?

B4輪転印刷とB4平台印刷のサイズ比較図

印刷物のデザインでは
カタログや折りパンフレットなどの冊子は仕上がり寸法がA4で制作することが多く、
新聞折込チラシなどではB4の「輪転サイズ」(袋断裁)を使うことが多い。

「輪転サイズ」というのはチラシ周囲に白いフチがついています。

この白フチの中の絵柄部分のサイズがB4サイズなのですが、B4正寸、つまり白フチなしできっちりB4サイズのチラシを印刷することももちろん可能です。

こういうのを「平台(ひらだい)印刷」などと呼びますが、その場合は少し大きなサイズの紙に印刷して、後から「化粧断ち」と言って余分な部分を切り落とす工数が発生します。

「輪転サイズ」はロールになった紙に印刷して、切り離して出来上がり。
「化粧断ち」がないので早く、安く印刷できます

正寸のものよりも周囲にフチがつく分、サイズが大きくなるので新聞折り込みのチラシの束の中でもサイズ的に有利。実際には輪転サイズのチラシが多いので、逆に正寸のチラシはサイズ的には不利です。

最近は新聞を取っていない方も増えてきたのでサイズ的なアドバンテージは減ってきているかもしれませんが、コスト面では依然として有利ですね。

それでもたまにB4正寸のチラシが入っているのは高級志向の商品の広告などが多く、そういうチラシは大抵少し厚めの印刷用紙を使っています。

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