4月になりました。
いよいよ新年度のスタート、ということで「この機会にネットの広告に挑戦しよう」という方もおられるのではないでしょうか?
ご存知の方も多いと思いますが、インターネットでの広告市場は毎年急成長を続けていて、もはやインターネットでのプロモーションは避けては通れない存在となりつつあります。
Web広告自体もどんどん進化し続けていて、AI(人工知能)による「機械学習」なども進んで、いろいろと複雑なことになっています。そこで今回はWeb広告の中でも比較的一般的な「検索広告」の基本的な考え方と予算の目安について書いてみたいと思います。
想定しづらいWeb広告の予算
Web広告の場合予算の想定が難しく、広告したい業種や商品、広告文の作り方や広告をクリックした先に表示されるホームページ(ランディングページ)の内容、どのエリアにどの時間帯に、どういう相手に向けて表示するか…など、さまざまな条件によりかなり変わります。
さらに最近のWeb広告は広告出稿システムのAI、つまり人工知能が機械学習を行なって状況に合わせた工夫をしてくれるらしいので、その辺の変化も予想しづらい。Web広告サービスもいろいろありますが、検索した時に表示される文字広告の場合、表示されるだけではお金がかからず、クリックされると課金されます。
1回クリックの単価はAI(人工知能)が決めます。
…と書くと「なぜそんなことをする必要があるの?」と思われるかもしれません。(私も最初はそう思いました)
端的に言えば検索するときに使う「キーワード」の「値段」を決める必要があって、でもキーワードの数は膨大な数があり、人力で決めている時間はないから。
大勢の人がネット上で競争入札(オークション)をすると…
例えば「ラーメン 横浜市 東山田駅前」というキーワードで検索する場合、「ラーメン」は極めて一般的な言葉ですし、ラーメンを提供しているお店は日本中…どころか世界中にあります。そのため、そういう一般的な単語は広告に使いたい人も大勢いる、ということになります。
物の値段は需要と供給のバランスで決まりますので、検索用キーワードの値段を決めるための「競り(せり)」つまり「入札(オークション)」をネット上で行います。
が、(先述のように)人力で入札をやっていたら時間がかかって現実的ではないのでコンピュータが(つまりAIが)競争入札を行なってキーワード単価を決めています。
大勢の人が競争入札すれば、その単語(キーワード)は価格が高くなります。こういうメジャーなキーワードを「ビッグキーワード」と呼び、ビッグキーワードのクリック単価は高くなる傾向です。
競争率が低いキーワードなら入札に勝てる!(かもしれない)
「横浜市」というのもメジャーなキーワードなのでやはり競争が激しく、クリック単価も高い傾向となります。ところが「東山田駅前」だと競争率がかなり下がります。
【詳しくは下記を参照ください】
県勢要覧2021(令和3年度版) – 神奈川県ホームページ
(15章 運輸・通信・道路・220ページ部分)
…それはともかく「東山田駅前」という単語は競争率の低い「スモールキーワード」となり、競争率が低い分クリック単価も下がる傾向。
実際のWeb広告出稿では先に「予算」を決めておくのですが、「ラーメン」などのビッグキーワードだと、よほど潤沢な予算を用意しないとAIのオークションで負けてしまいますので広告は表示されません。(時間やタイミングにより例外はあります)
そこで「ラーメン」や「横浜市」といったビッグキーワードの広告と「東山田駅前」などのスモールキーワードの広告をセットにして出稿します。
これであれば「ラーメン」や「横浜市」ではAIの入札に負けても、「東山田駅前」でなんとか入札に勝って広告が掲載される確率が上がります。また、運良く「ラーメン」や「横浜市」で勝ってしまって(?)広告が表示されても、先に予算を決めてあるので予算以上の支払いが発生することはありません。
誤解してしまいそうな、Web広告の「品質」とは?
Web広告の情報を見ていると広告の「品質」という言葉を頻繁に目にします。
広告の「品質」というと、広告の「出来」の良し悪しのことだと誤解してしまいそうですが、この場合の「品質」というのは広告文の内容と、その広告をリンクした時に表示されるホームページの内容の整合性のことを言います。
Web広告をリンクした時に表示されるホームページのことを「ランディングページ(略して「LP」)」と呼びますが、広告の文章内容とLPの内容が合致していないとその広告の「品質」は「低い」ということになります。そして品質の低い広告はAIによるオークションで不利となる、と言われています。
Web広告の予算の算出イメージ(仮)
ひとまずWeb広告を出稿した場合の予算の「目安」を計算してみます。
仮に月に10件のお問い合わせを獲得したいとします。
Web広告からサイト(ランディングページ・以下略して「LP」)に来てくれた人のうち、お問い合わせ率は1〜2%が一般的と言われています。実際には業種やランディングページの出来不出来、その他諸条件により異なるのですが、ここでは計算しやすく「1%」だと仮定すると、1件のお問い合わせを得るためには100件のLP訪問が必要です。
100件のLP訪問を得るということはWeb広告を100回クリックされるということで、1クリックの単価を仮に100円とすると、1件のお問い合わせを得るためには@100円×100回で10,000円となり、10件の問い合わせを得るには10万円の予算を用意する必要がある、ということになります。
ただしこれは(繰り返しになりますが)あくまで「目安」です。
いきなり多額の予算を注ぎ込むことはお勧めしていません
…とは言っても実際にはそんなに予想通りにはいかず、ある程度予算投入をして、その結果を見て次の予算を決めるということを繰り返すことになります。
個人的な印象では月の広告予算が1万円程度だと(オークションで負けるので)広告表示回数もあまり多くなくて、お問い合わせにつながりにくいようです。かといっていきなり多額の予算を注ぎ込むのもリスクが高くてお勧めしていません。
このブログ冒頭にもさらっと書きましたが、最近はAI(人工知能)が機械学習を行なって状況に合わせた工夫をしてくれるのですが、その機械学習する期間も必要で、3箇月くらいは我慢…というか様子見をした方が良いと言われています。いわば「慣らし運転」のようなものだと考えていただくとイメージしやすいかと思います。
現実的な対応としては、まずは少しずつ広告出稿して反応を見ながら、広告の出し方や予算を調整しつつ継続して行くのがお勧めです。諸々の諸条件により結果が変わったりもするので、株式運用に似ているかもしれませんね。