Web上での「コンテンツマーケティング」はもはや不可避なのか?という問題
質の高いコンテンツを継続的に提供し続けることで、見込み客を囲い込む!?
最近「コンテンツマーケティング」という言葉を聞く機会が増えてきました。
検索エンジンの急激な進歩により、ホームページ掲載されている内容(コンテンツ)をより詳しく分析されるようになって来ているので、「ホームページ上に質の高いコンテンツを、沢山用意する」ことによって検索された時に自社サイトがより確実に上位表示されるようにしましょう…というものです。
また、インターネットでいろいろな情報が手に入る現在、お客様は商品を購入する際にすでにたくさんの情報を持っているため、商取引の主導権は「売り手」から「買い手」に移ってしまっています。家電量販店などでお客が価格比較サイトの最安値をスマホに表示させて値引き交渉する、という現象はその一例ですね。
そのようにWebを使って「情報武装」している消費者に対して一方的に商品メリットをアピールするだけの広告宣伝活動では、もはや不十分だという考えもあります。
まだ商品を買う気がない人や、興味はあるが迷っている人にも見てもらえるような「セールス色の薄い」「見る人に楽しんでもらえる」ような内容(コンテンツ)のホームページや広告媒体(小冊子など)を数多く公開し、「将来の見込み客」とのつながりを作っていこう、という広報宣伝活動として「コンテンツマーケティング」が注目されているのだとか。
売り込み臭が少なく、しかも質の高いコンテンツを継続的に提供し続けることで、「将来の見込み客」を「ファン」として囲い込もう…ということのようです。
将来の「実益」を手にするまでに必要な「莫大なコスト」
しかし「質の高いコンテンツ」と口で言うのは簡単ですが、多くの人に楽しんでもらえる「質の高いコンテンツ」なるものを広告宣伝として次々と、延々と提供し続けるというのは並大抵のことではありません。
経営体力のある大企業ならともかく、小規模事業者様の場合は、プロのライターを雇うか、外注するかしかないでしょう。
将来的な売上という「実益」を手にするまでに必要な手間と時間というコストは莫大なものになる、と予想されます。
広告予算の限られている小規模事業者様の場合、やはり広告宣伝にはある程度の即効性が必要だと思われますので、まずは自社のサービスを探しているお客様をしっかりサポートできるホームページ作りに力を入れられる方が現実的かと思われます。
それでもSEO的には意識せざるを得ない「コンテンツ重視」
それでは「コンテンツマーケティング」なるものは無視してしまって良いのか?…というとそういう訳には行かないだろうな、と思います。
Webを通しての集客を考えるのであれば、やはり検索した時に上位表示される(つまりSEO対策をする)ことは不可欠なのですが、このSEO的にはやはり「コンテンツ重視」の方向を意識せざるを得ない状況です。
昔は他のサイトからのリンク(被リンク)の数が多ければ良かったり、検索されそうなキーワードをやたらとサイト内に埋め込んでおけば良かったこともありましたが、すでにそういう時代は終わっています。
以前からその傾向はありましたが、ここ数年で「見る人に本当に役立つホームページかどうか」を見られる傾向は確実に強まって来ていると感じます。小手先の手法はどんどん無力化され、ウェブサイトの「コンテンツ勝負」の傾向は強まる一方でしょう。
検索エンジンの高度化は止まらない
そもそも検索サービスが始まった当初は検索エンジンの性能も今ほどではなく、検索のアルゴリズム(仕組み)も貧弱だったので、見る人に役に立つ「価値のあるホームページ」であるかどうかを判断するための手法として「被リンク」の数を評価したに過ぎない、という事情もあります。
「たくさんのサイトからリンクされているサイトは良いサイトだろう」という論理です。
今から考えれば随分と単純な理屈ですが。。。
そしてその後、サイト内のキーワードの出現率を見るようになり、サイトの情報量を見るようになり、サイト内でのユーザーの行動を見るようになり…という具合に進歩してきました。
現在においても被リンクやキーワードが全く評価されなくなったわけではないようですが、それよりもホームページに掲載されている内容(つまりコンテンツ)がかなりしっかりと見られているように思います。検索エンジンはどんどん高度化していて、当面の間その傾向は止まりそうもありません。
ホームページからの集客にコンテンツの拡充は不可避
日本でのインターネット検索といえばGoogleとYahoo!が2強であり、Yahoo!の検索もGoogleのデータを利用しているので、日本国内でのSEOを考えることはすなわち「Googleへの最適化」を考えることになります。
Googleといえば最近はコンピュータが自分で勝手に学習して勝手に賢くなって行くという「ディープラーニング」機能を持つAI(人工知能)の開発で話題ですが、こういうディープラーニングによるAIの進歩はすでにWeb検索にも活用されていると言われています。
たとえば今はホームページに掲載されている画像を検索エンジンはあまり正しくは認識できなくて、HTMLコード内に「この画像はこういう内容の画像ですよ」というのを言葉で記述してやる(いわゆる「alt属性」の記述)必要があるのですが、いずれそのようなことをしなくても検索用コンピュータが画像の内容を人間と同じように理解できる日もやってくるでしょう。
今はまだそこまでは到達していない…らしいのですが、それでも検索結果の表示される順序は以前よりもより高度化した、サイトの内容をかなり理解した上で決定される方向に進んでいる様子。
そのため、検索上位を狙うのであればやはりコンテンツの拡充は避けられないと思われます。ホームページからの集客を真剣に考えるのであれば、サイトのコンテンツの質と量をもう一度検討してみる必要があると思われます。
「コンテンツマーケティング」については下記のブログ記事も併せてご覧ください。
Webもチラシも結局重要なのは「コンテンツ」という話