横浜市都筑区にある当事務所ですが、最近は近隣の緑道(せきれいの道)の木々も生い茂り、夏の日差しを遮ってくれるようになりました。(冬は葉が落ちて陽が当たるようになります)。
このブログでやたら登場する「せせらぎ公園」の小鴨たちも結構大きくなって来ていて、順調に季節が進んでいることを感じます。
関東地方の梅雨明けはまだしばらく先になりそうですが、7月と言えばもう完全に夏!ということで今回のブログでは夏の広告で使いたい「赤色」について書いてみたいと思います。
印刷物デザインの「金赤問題」その後
以前このブログで「金赤」の問題について少し触れましたが、まずはこの件の続きから。
印刷物のデザインで「金赤(きんあか)」はかなり基本的な色で、強く目立たせたい部分(価格など)に多用される傾向があります。Webデザインでも同じように赤を使いますが、「金赤」とは言わないですね。
一般的なカラー印刷(CMYKの4色印刷)では「金赤」というと通常「M100+Y100」という数値で表される色なのですが、本来の「金赤」はどちらかというと朱色っぽい色で、「M90+Y100」程度の色のようです。
デザイン制作のワークフローの中で「金赤」とだけ言うと、状況や聞く人により認識の微妙な食い違いが発生するリスクはあるようです。
なお、今回の記事の色見本はブログ用にRGBモードに変換してあります。そのため厳密に色彩を測定すると微妙に数値の誤差が発生します。ご了承くださいませ。
「CMYKの4色印刷ってなに?」という方は下記の過去記事をご覧くださいませ。
厳密に色合わせをしたいときは色見本(カラーチップなど)を添付しての入稿をするのがおすすめです。
ちなみに私はこの「金赤」、印刷物のデザインではあまり使いません。。
なぜかと言うと、
少し「生(ナマ)っぽい」から。
主観で選ぶ!デザイン的に使いやすい「赤色」
「生っぽい」…というのは少々業界用語っぽくてわかりにくくて恐縮ですが、やはりあまりに基本的すぎる色というのはどうしても「安易な印象」になりがちで…下手をすると安っぽく見えるリスクがあるのです。
ということでワタシ的オススメの赤色について考えたいと思います。
基本的な色としては「C20+M100+Y80」。デザイン屋的には定番カラーかと思います。
少し暗く、少し赤紫に近い色で適度な深みと落ち着きが出ます。
しかし少し重い印象になる場合もあるので、もう少し軽くしたければ「C15+M80+Y60」あたりが宜しいかと。
強調文字などに使っても、白背景なら十分視認性も確保できてそれなりの強さもありつつ、さほど重たい印象にならずに済みます。
昔からある赤色で「弁柄(べんがら)色」というのがあって、一部の観光地などでは下の写真のような赤く塗られた建物などを見ることができたりします。要は酸化鉄の色なのですが、このベンガラの塗料で塗った色がしばらく屋外の光や風雨で退色して落ち着いてきたあたりの色に近いのかな?と思っています。(個人的な印象です)
デザイン用の色見本などの「弁柄色」は結構赤茶色っぽい色ですが、最近のベンガラは発色が良くなっているのか、結構鮮やかな赤が多い感じがします。
夏の広告は涼しい印象にしたい!という時の色の組み合わせ
「暑い夏に暑苦しい色は避けたい!」という需要も当然あると思いますので、そんな方のために涼しげな印象の「赤色」についても書いてみたいと思います。
涼しげな色、つまり寒色系の色と一緒に使うなら、ピンクっぽい色も使い勝手は良いですね。
つまり水色とかペパーミントグリーンあたりの涼しい印象の色にはオレンジ系ではなく、赤紫系の色も似合います。
マゼンタの色をそのまま生かして「M80」くらい。
でも少し難易度は上がるかもしれません。
下手すると2色印刷っぽく見えかねないので。
そもそもカラー印刷というのは本来非常に微妙なもので、以前印刷会社の社長さんに聞いた話では「同じ印刷機で同じ設定で印刷しても、日によって色が完全に一緒にはならないことがある」とのこと。
印刷物のデザインをするときは、多少の色の「振れ幅」にも考慮した色使いをすることが必要ですね。