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色彩の世界が垣間見える(かもしれない)DICのカラーガイドのスマホ版

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5月も半ばということで晴れた日には木々の新緑やツツジなどで街の色彩も鮮やかなこの季節ですが、今回はデザイン制作で色彩の特色指定などに使われる「DIC(ディック)カラーガイド」と、そのスマホアプリ版について書いてみたいと思います。
 

日本のデザイン業界での色彩の「デファクトスタンダード」

日本のデザイン業界での色彩の指標として圧倒的に普及していると思われる「DIC」のカラーガイドというものがあります。海外では「PANTONE(パントーン)」が主流というところも多いのですが、日本ではDICが多数派で、いわゆる「デファクトスタンダード」となっていると思われます。

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本来は紙に印刷した冊子状のものを使います。この中から「DICの○○○番」と指定するのですが、より正確を期すのであればカラーガイドを切り取って原稿に添付します。こうやって特別に指定する色のことを「特色(とくしょく)」と呼びます。

チラシやパンフレットなどの広告制作物の制作入稿では「CMYK」での色指定が圧倒的に多く、DICの「特色」を使用することは少ないのですが、「蛍光ピンク」や「メタリックカラー」など、CMYK掛け合わせでは再現できない色を使いたい時などに使います。また、コーポレートカラー(会社のロゴの色)などを厳密に再現したい時などにも使われます。単色(1色)印刷や2色の掛け合わせ印刷、名刺印刷などでも使われます。

印刷物でのCMYKや2色掛け合わせでの色再現については下記をご覧ください(過去記事)

【広告印刷物デザイン】今更ですがチラシやカタログの「4色印刷」ってなんですか?


 

デザインソフト上でのDIC特色指定

デジタル化の進んだ今ではレイアウト用ソフトの「Adobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)」でもDIC番号での指定ができるので、チラシやパンフレットなどの印刷入稿時にDICのカラーチップ(カラーガイドを切り取った紙片をこう呼びます)を添付することはあまりないかもしれません。

印刷会社のサーバーにインターネットで入稿する形式が一般化してきているおり、紙に印刷された色見本は添付できないので。

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デザインソフト上でのDIC特色指定は便利ではあるのですが、蛍光色やメタリックカラーなどはパソコンのモニターでは再現できないので、イメージはしにくくなります。したがって、デザインカンプ(仕上がり見本)の段階でデザイン制作サイドからクライアント様へイメージをきちんと伝えておく必要があります。
 

大きく重く、値段も高いのですが…

このDICカラーガイド、先述の「紙に印刷したタイプ」の場合ですと、量がかなりあります。
基本は3冊セット。さらに追加の3冊があります。

他にも日本の伝統色とかフランスの伝統色とか中国の伝統色などもあり、全部揃えると結構な大きさ、重さとなります。値段もそれなりに高いのでお財布的な負担も結構巨大です。

でも「○○○○の伝統色シリーズ」は良い色が揃っているので見ているだけでも楽しいというか、色彩の勉強になります。デザイン業者だけかもしれませんが。。。
 

お手軽なスマホアプリ(無料)がおすすめ

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そこでお手軽にDICカラーガイドを利用する方法としてはスマホアプリ(無料)の使用がおすすめ。大きくて重かったカラーガイドがスマホの中に収まって、しかも無料ということで、デザインや色彩に興味のある人ならとりあえずインストールしておいて損はないのでは?と思います。

ダウンロードは下記参照ください。

DICデジタルカラーガイド | DICグラフィックス株式会社
https://www.dic-graphics.co.jp/products/dcguide/

要注意点としては、スマホ画面では厳密な色再現は少々厳しく、実際の印刷されたサンプルとは色が微妙に異なります。また(先にも書いたように)蛍光色やメタリックカラーはそもそも表示困難であることなど、完全でないところもありますが、色彩のおおよその傾向はわかります。

また意外に便利な使い方として、チラシやパンフレットなど見ていて「この色を使いたい」と思った時、スマホのDICカラーアプリを起動してスマホカメラで撮影し、画像内の任意の位置の色をDICカラーの何番に近いかを表示してくれます。CMYKでの掛け合わせ数値やRGBでの色番号の近似値も表示してくれるので結構便利。花の色でも空の色でも服の色でもなんでも数値変換してくれます。(※撮影した画像上の色なので撮影条件によっては誤差が大きくなる場合もあるようです)

スマホで撮影した画像をパソコンに転送して、「Adobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)」などのデザイン用画像編集ソフトで色情報をチェックしても同じようなことができるのですが、スマホでできると手っ取り早いので。

慣れないと「なんだか同じような色がやたらたくさん載っている」ようにしか見えないかもしれないDICのカラーガイドですが、慣れてくると色彩の世界の奥深さを垣間見ることができる…かもしれません。
 

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