おはようございます。
今日の横浜市都筑区は曇りの朝です。そろそろ梅雨明けしても良い時期になってきましたが(沖縄は先月梅雨明け済)、日本各地で水害のニュースが連日のように報道されていて梅雨明けの雰囲気ではありませんね。これ以上の水害が起こらないことを願うばかりです。
今回は気分だけでも梅雨明けを、ということでチラシやポスターなどのデザインに使える、「夏らしさを感じる色彩」について考えてみたいと思います。
四季の変化がはっきりした日本の風土では特に、広告での「季節感」は大切な要素です。
もちろんホームページなどのWebデザインでも使えます。
人により、状況により「夏らしさ」は変わります
では「夏らしさ」とはなんでしょうか?
あくまで一般論の話になるのですが…
「小学生の夏休み」と「大人のお盆休み」は広告で訴求する「方向性」が違います。
「海やリゾート」のイメージと「ビジネスマンの夏対策」でもやはりデザインの雰囲気が変わります。
「小学生向け」の広告を作りたいのに「大人のリゾート」の雰囲気で広告を作っても、集客効果という点では厳しいかもしれません。また、同じ「小学生向け」の広告宣伝物でも「夏休みの学習塾の広告」と「子供向けイベントの広告」では広告表現のテイストは同じにはなりません。
ただしこれらは一般的なセオリーの範囲での話なので、なんらかのデザイン的な意図があれば無視してもOK(ただし合法の範囲内で)。
しかし安易にセオリーを外れると単に違和感のある広告表現になってしまう可能性もあります。
現実にはチラシやWebなどの広告宣伝で訴求したいターゲット像(いわゆる「ペルソナ」)や想定されるシチュエーション、制作ディレクターやクライアント様の制作意図によってデザインのバリエーションは無限に発生し得るわけですが。。。
でもそれを言い出すと話がまとまらないので、ここでは状況を「ざっくり4種類」に切り分けて考えてみます。
夏の広告での「ざっくり4種類」の色彩パターン
①子供の夏休みのイメージカラー(例)
基本的には子供向けの色彩は鮮やかで色数多目が基本。
明るく元気、あるいは優しいイメージにするのが一般的です。
色数が増えると構成の難易度が上がりますので要注意。
②南の島での夏のイメージカラー(例)
少し渋目の色が入ってきます。色名が同じでも上とは微妙に異なります。
色使いとしてはエネルギッシュで強い色彩の傾向となります。
高級路線を狙うのであれば強さを抑えて洗練方向に振るのがセオリー。
③お盆や和風の夏のイメージカラー(例)
さらに渋めながら少し落ち着いた感じ。
基本の色に対して「差し色」(ワンポイントカラー)を組み合わせる形。
お祭りムードにするのか、しっとりと決めたいかで配色やデザインは変化します。
④都会の夏のイメージカラー(例)
色味は鮮やかなものから渋めのものまで選んでOKですが、渋さは揃えるのがおすすめです。
こちらも色数は抑えて、基本の色に対して差し色を組み合わせる形。
どちらかというとフォーマルなテイストにする場合が多いパターンです。
お気付きの方もおられると思いますが、これは連想ゲームです。
お盆や和風のイメージなら「浴衣」や「和菓子」「和風の庭」や「和食」などを想像すれば、色やデザインのイメージが浮かびます。想像しにくければ適当な紙に思いついたことを書き出して行くとイメージがまとまりやすいかもしれません。
手書きとアイデアの関係については過去記事をご覧ください。
「ざっくり4種類」の色彩パターンの使い分け
上の4つのイメージカラーをチャート図に表すとおおよそこういう配分になるかと思います。
「子供向けの和服はどうするの?」とか「アーバンリゾートの場合はどうなるの?」など、例外は多々あるかと思いますが、おおよその傾向としてはこのような感じかと思います。
①②③は元気な色彩から渋めの色彩への変化があり、④は洗練された感じを意識しておけばデザイン的な「大外し」はせずに済む可能性が高い、と思います。あとはターゲットにする年代や売りたい商品・サービスの価格帯によって適宜調整して行けば色的にはOK。
これらの色彩パターンの使いこなしはやはり、商品に対する理解や広告対象の人物像・企業像を考えてそれに最適化して行く作業が必要になります。こういったことはチラシでもポスターでもWebデザインでも共通の課題で、広告宣伝の骨格となる部分です。
いわゆる「コンセプトメイキング」と言われるもので、ここが制作の出発点になります。
その上で先ほどの「連想ゲーム」を行って、デザイン表現の世界観を作って行けばOKかと。
コンセプトの大切さについては下記を参照ください。