早いもので6月も今日を入れてあと10日。
そろそろコロナも収束してもらいたいところですがどうなるか。。
相変わらずリモートワークが推奨されていたり、外回りの営業活動がしにくかったりの日々ですが、パソコンを使って営業活動をしようという方も多いかと思います。
そこで今回はパソコンで作った資料をチラシとして印刷するときの「色の問題」について。
本格的なオフセット印刷!なのに色が微妙?
最近はWord文書を印刷会社に入稿して本格的なオフセット印刷ができたりします。
カラープリンターで印刷したものより発色などがきれいで自然な場合が多く、グレード感も出ます。
普段お使いのパソコンとソフト(アプリ)で作ったチラシをネットで送信して印刷できるので便利ですね。
でも、印刷が本格的で高品質なのに、元のパソコンデータより色味が微妙…というかキレイでない、という場合があります。特に明るく鮮やかな色が影響を受けやすい傾向で、なんとなく濁った、どんよりした色で印刷されてしまっている、というような。
使用されているパソコンのモニターの性能や設定の問題もありますが、モニターの色合わせ(キャリブレーション)がきちんとできていても「カラーモード」の問題で印刷物の色がくすんでしまうことがあります。
パソコン画面の色調整については下記をご覧ください。
と、いうことでパソコンデータを印刷したときに色が変わってしまうイメージ画像を作りました(下の2つの画像です)。
観葉植物のグリーンや、瓶に入った青いビー玉、赤いカップなどが特に色が大きく変わっています。
これは何をやったかというと、元の画像は「RGBモード」、色が変わったイメージの画像は「CMYKモード」に変換したイメージです。(※わかりやすいように少々極端にやっています。)
実際には変換に使うソフトウェアのアルゴリズムやその他諸条件により変換結果も変わるのですが、大なり小なり、このような影響は発生します。
では「RGBモード」「CMYKモード」とはなんでしょうか?
パソコンデータと印刷物は「カラーモード」が異なります
スマホやパソコンモニターの表面を拡大すると「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」の画素がびっしりと並んでいます。この「RGB」の組み合わせで色を表現するのが「RGBモード」。
RGBモードは光の3原色の組み合わせで色を作るのに対し、CMYKはインクの3原色の組み合わせで色を作ります。下の図はそれぞれのモードでの色の組み合わせのイメージです。
RGBは3色かけ合わせると白になり、CMYKは「C」「M」「Y」の3色をかけ合わせると黒になります。(理論上は。)
RGBは光の三原色。カクテルライトのイメージです。
CMYKは絵の具を混ぜて色を作るイメージ。青と黄色を混ぜると緑色になる、というような。
パッと見てお分かりのように、RGBの方がかなりケバケバしいです。
詳しくは下記の過去記事をご覧ください
パソコンのモニターは先述のように「RGBモード」なので、パソコンデータの色は普通RGBモードでできているわけですが、これに対し、インクを使う印刷物はCMYKモード。
つまり多くの場合、パソコンデータと印刷物は「カラーモード」が異なります。
そのようなこともあり、Wordで作成した文書も「RGBモード」なのですが、印刷すると強制的に「CMYKモード」になるのでくすんだ色になりがち。この記事の最初の方に掲載した女性の写真のような感じですね。
RGBよりもCMYKの方が再現できる色の範囲が少ないのでくすんだ色になるのですが、原因はそれだけではありません。
CMYKからRGBに変換した時に余計な色が混入!
CMYKの方が表現できる色の範囲が狭いのは事実ですが、CMYKからRGBに変換した時に余計な色の成分が混じってしまってよりくすんだ色になる、ということもあります。
一般的な「黄色」はRGBモードだと「#fff100」という色をよく使いますが、これを単純にCMYKモードに変換すると濁った色に変化してしまいます。
違いがわかりやすいように比較用として「Y100%」と並べてみました。
本来の「黄色」である「Y」だけでなく「C」や「M」が混じってしまっているのでこのようになります。
このようなこともあって、印刷に使うデータは最初からCMYKモードで作るのがおすすめです。
写真はもともと撮影時点でRGBモードでデータができているので仕方ないとして、レイアウトの方は最初からCMYKで作った方が色々と具合が良い…のですが、WordなどはCMYKモードでの作業ができないようです。あくまでもビジネス文書作りのソフトであって、きちんとデザインするならデザイン用のレイアウトソフトを使った方が良い、ということなのでしょうね。
プロ用のデザインソフトとして一般的なのは「アドビ」という会社の「イラストレーター」「フォトショップ」「インデザイン」などがあります。アドビのソフトは今は「サブスクリプション」(略して「サブスク」)といって毎月定額制なので、たま〜にしか使わない人にはコスパが悪いかもしれません。。
が、ある程度頻繁に使われるのでしたら導入を検討されるのも手かもしれません。
あとフォント(書体)もある程度揃えた方が良いと言えば良いのですが…、フォントも結構高かったりしますので、そこまでやるなら良心的な価格で信頼できるデザイン事務所に外注された方がコスパ的に宜しいかと思います。
(→手前味噌で恐縮ながら、当デザイン事務所「グラッドワークス」の「おすすめメニュー」はこちらです)
ちなみに一般的な印刷物デザイン制作のワークフロー(概略)は以下のような感じです。
①レイアウトは最初からイラストレーターでCMYKモードで行います。
②画像は撮影から色調補正や合成加工の段階はRGBモードで行います。
③画像は最後にCMYKに変換して再度色調補正を行います。
④レイアウトに画像を埋め込むかリンクさせるかは入稿先の印刷所に合わせて選択します。
画像もレイアウトも最終的に「CMYK」モードで調整するのがポイントです。