3月も中旬となり、春らしさを感じる日が増えてきました。春は新年度の始まりということで広告デザイン的にも「季節感のあるデザイン」が求められることの多いタイミングの一つでもあります。
春の広告デザインに桜のイメージを使うと「埋没」する?
日本人的には春といえばやはり桜、なのですが桜が楽しめる期間は結構短く、特に近頃は例年より早く咲き始めて咲き終わってしまう傾向。すでにみなさんご存知の通り、今年(2020年)も一昨日、3月14日に東京での桜(ソメイヨシノ)の開花発表がされました。平年より12日早く、統計を取り始めて最も早い開花とのこと。
下の写真は昨日の桜です(近所の公園にて撮影)。全体につぼみが膨らんできていて咲き始めのものもちらほら。
今後の天候次第ですが来週末には見頃になりそうです。
これも地球温暖化の影響…なのかもしれませんが、近年は桜のイメージを春のプロモーションに使うのは、タイミングの見極めが難しくなってきたと感じます。
桜が散った後もしばらくは「春」と言って良い季節が続きますので、広告のご予算やタイミング次第ではあえて桜を意識しない広告デザインも考えておく必要があるかと思います。この時期の広告は桜を前面に押し出したデザインのものがどうしても多くなりますので、同じように桜や桜色を使うとそれらの広告に埋没してしまう危険性もありますし。
サクラ色を使わない「春らしい色使い」
と、いうことでサクラ色を使わない「春らしい色使い」となると「新緑」のイメージで黄緑色などは候補になると思います。店頭POPなどにも良いですね。
春は英語で「Spring」ですが、バネのスプリングと同じ言葉で「飛び出す」というようなニュアンスがある様子。なので明るくて勢いのあるイメージが春らしい。
そこで新緑に、春らしい優しい水色や花を思わせるレモンイエローなどを加えると「春らしい色使い」の出来上がり。
グラフィックデザインの色彩術として、難易度としてはそれほど高くないと思います。コツとしてはこれらの色を均等に使うのではなく、広告の狙い(目的)に応じて「優先順位」や「メリハリ」を考えた配色にする必要はあると思います。例えば黄緑色を多めに使ったら水色は少し少なめにして、レモンイエロー(つまり黄色)はさらに少なくする、というような。
春らしい色彩を活かす、「ホワイトスペース」の有効活用
もう一つ色彩を活かして、春らしい軽やかさを演出するのに有効なのが「ホワイトスペース」の有効活用です。
ホワイトスペースというとつまりは「余白」なのですが、「余白」というと「無駄に空いた、余りのスペース」という印象になりがちです。
特にチラシやパンフレットなどの広告印刷物では限られたスペースを有効活用することが求められるため、余白があれば文字や写真を少しでもたくさん載せたくなるところ。でも「春らしい軽やかなデザイン」を目指すのであれば情報の密度にもメリハリをつけて、広告紙面のどこかに意図的な余白を作ってみましょう。
やってみるとわかると思うのですが、余白(ホワイトスペース)をどこに、どのくらい開けるかは結構難しい。
Webや広告のデザインやレイアウトにはいわゆる「グリッドデザイン」(詳細後述)などのある程度基本的なパターンがあるので、それらに従ってレイアウトすれば、結構それらしくはなるのですが、「基本的なパターン」の使いこなしはデザイナーの個性が出やすい部分ではあります。
どのくらいの余白を適切と感じるかはその広告の内容や、掲載が必要な情報量によっても異なります。
「グリッドデザイン」などの基本的なレイアウト術については下記の過去記事をご覧ください。
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